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2026.09.10 ダークパターン

DM営業が「電話勧誘販売」並みに規律される日&ついに動き出すUI(ダークパターン)規制──特商法改正「中間とりまとめ」を読む①

特商法中間とりまとめ案イメージ写真

ダークパターン規制がついに法制化へ動き出す

2026年9月2日、消費者庁の「デジタル取引・特定商取引法等検討会」第9回会合に、中間取りまとめ(案)が提出された後、9月10日に「中間とりまとめ」が公表されました。同検討会は同年1月から9回にわたり議論を重ねてきたもので、特定商取引法改正の骨格が、ここで初めて一つの文書として輪郭を現したことになります。
出典:消費者庁「第9回デジタル取引・特定商取引法等検討会(2026年9月2日)」
   消費者庁「デジタル取引・特定商取引法等検討会中間取りまとめ(2026年9月10日)」

内容は、率直に言って重く、非常に重要な改正内容です。
なかでも事業者の対応工数がかさみそうな部分は、次の二つです。

  • ① SNSのDMやチャットを使った営業が、電話勧誘販売とほぼ同等の規律の対象になる
  • ② 個々の表示にとどまらないUI全体の申込導線の設計、いわゆるダークパターンに包括的に行政のメスが入る

これまで、インターネット通販(通信販売)は、「消費者が直接の圧力を受けずに意思決定を行う取引」と位置づけられ、インターネット上での勧誘行為自体を縛る規律は置かれていませんでした。

しかし、中間取りまとめは、その大前提を根本から見直す方向で、従来の通信販売規制そのものを変革する方向性になっています。

本稿では、①インターネット取引における規制強化、②ダークパターン規制を中心に、中間取りまとめの内容を概観し、実務上の論点を整理します。それ以外の論点については別稿で解説予定です。

令和8年9月4日の堀井消費者庁長官の記者会見要旨では「デジタル取引・特定商取引法等検討会は9月2日に中間取りまとめ案の議論をして、座長一任という形にはなったのですけれども、ほぼ皆様、内容に合意いただいたという理解でおります。」とあり、9月2日の「中間取りまとめ(案)」と10日の「中間取りまとめ」に実質的な差分※がなかったことから、中間とりまとめ案及び中間取りまとめがほぼそのまま改正案の青写真になると思われます。

参考:消費者庁堀井消費者庁長官記者会見要旨
※:唯一の差分としては、「消費者庁等の執行体制を強化し」という一文が追加された程度であり、当局としては本改正の執行に積極的であるということが伺われます。

1. 基本思想──悪質な取引に焦点を当てることで違反の効果を強める方針

中間取りまとめは、基本的視点として、健全な取引による利便性を最大限確保しつつ、悪質な取引に焦点を絞って対応を強化する、という均衡論を掲げています。

これは単なるお題目ではなく、後述のチャット勧誘規制でも、ダークパターン規制でも、DPF(デジタルプラットフォーム)への対応でも、「悪質なものに絞る」という発想が、規律違反の効果を、行政処分中心に組み立てるという規制の強さに結びついています。そして、効果が強いからこそ、適法/違法の線引きは、法律本体ではなく下位法令とガイドラインに相当程度委ね明確化するということにつながります。したがって、事業者としては、この先のガイドライン策定プロセスを注視する必要がありそうです。

2. DM・チャット勧誘規制──テキストでの働きかけが「勧誘」として規制される

(1)課題感

SNSのメッセージ機能を通じた個別の働きかけは単なるテキスト情報のやり取りに過ぎず、訪問販売や、電話勧誘ほどのプレッシャーが消費者にかかるわけではないだろうというのが従前の前提でした。

しかし、テキストでの働きかけが、実際に消費者が当初想定していなかった商品・役務の購入へ誘導されるシーンにつながっており、電話での勧誘と大差なく規制すべきではないかというのが出発点です。

議論の中では、チャットでのやり取りには、社会的望ましさ(下品な断り方はしたくない)の規範や返報性の規範が働き、相手の提案を断りにくくなる特徴があるという指摘も出ています。単なる「電話の代替物」ではなく、チャット固有の心理的圧力を問題視している点は注目されます。

(2)規律内容

① 「チャット等」が対象

規律対象として想定されている行為「チャット等」は、スマートフォンやPC等の画面を通じた、特定の相手方に対する、双方向のやり取りのための文字情報等の送信です。テキスト情報だけではなく、やり取りの中での画像・動画等のファイル添付やリンクの送信も含み、ボイスメッセージやオンラインセミナーも「動画等」に含まれるとされています。SNS上のDMにとどまらず、電子メールやSMSも対象です。

「チャット等」には、事業者から消費者に対してチャット等による勧誘を開始する場合だけではなく、著しく有利な条件を提示(例:無料体験で脱毛できます)して消費者側からチャット等を開始させて勧誘した場合も含むとされています。

一方で、応答不可の一斉配信、単発のポップアップ表示など、双方向のやりとりを一切想定しないものは、それだけでは対象外とされています。ただし、そうした一方向の働きかけであっても、現行法上のアポイントメントセールスや電話勧誘販売における「電話をかけさせる」ための誘引方法(電磁的方法)(特商法2条1項2号、同法施行令1条各号)には当たり得る、と釘が刺されていますので、「一斉配信だから安全」ではない点注意が必要です。

参考:特定商取引に関する法律
  :
特定商取引に関する法律施行令

② 勧誘・契約・解約の3つの場面での具体的な義務

取引の各場面で具体的な情報提供義務・禁止義務を課す方向性です。

<勧誘場面>

  • ➡チャット等での勧誘に先立ち、販売業者等の氏名・名称、勧誘者の氏名、商品・役務の種類、販売目的を告げる
  • ➡不実告知・事実不告知の禁止
  • ➡威迫・困惑行為の禁止
  • ➡消費者がNOを示した後の再勧誘の禁止(別アカウントを使った継続も含む想定)

<契約場面>

  • ➡電話勧誘販売と同等の規律(申込書面&契約書面の交付義務など)

<解約場面>

  • ➡書面を受領した日から起算して8日間のクーリング・オフ
  • ➡不実告知等による契約には取消権
  • ➡過量販売には解除権

(3)実務上想定される論点

① 「勧誘者の氏名」の告知義務はどこまで徹底されるか?

中間取りまとめは、勧誘者が直罰の対象となり民事上の損害賠償責任の主体にもなり得ることから、戸籍上の氏名を告げるべきことを基本とすべきと踏み込みこんでいます。
 他方で、カスタマーハラスメント対策として実名表示を避ける実務の流れや旧姓使用の拡大、プライバシーの保護の必要性なども踏まえて、引き続き検討とも書かれています。
 オンライン接客・インサイドセールスの現場では、ハンドルネームや姓のみの運用が一般化していますから、実装上の摩擦が大きい論点と思われどのように着地するのか注意深く見守る必要がありそうです。

② 再勧誘禁止の運用

チャットでは「返信せず放置すること自体が明確な拒絶の意思表示として機能している」と既読スルーこそがNOの意思表示なのだという考えがある一方で、情報の遮断自体はネット取引であれば容易にできるため既読スルーを明確なNOと見るのは難しいのではないかという意見や、判断基準を曖昧にすると取引機会が(双方にとって)過度に制約されるという反論も出ています。既読スルーを拒絶と扱うのか否かで、再勧誘がOKかどうか決まるため、実務上は大きな論点といえます。

③ 既存顧客への連絡との区別化

既存契約の履行・管理に関する通常の連絡や、継続的な取引関係に基づく連絡が含まれないよう対象範囲を明確化すべきという指摘が明記されています。
 もっとも、カスタマーサポートのチャットからアップセルの提案につながる導線は、実際には珍しくありません。自社のチャット運用を「通常の連絡」と「勧誘」と明確に区別しなければならなくなる可能性もあり、「チャット等」を用いた「勧誘」がどの場面におけるどこまでの行為をいうのか改正の動向を注視すべきと思われます。

3. 広告場面におけるダークパターン規制

(1)課題感

中間取りまとめは、オンライン上の表示・UIの設計・運用が高度化し、心理誘導に関する知見を活用した導線設計により、消費者が自らの意思決定過程を十分に認識しないまま契約締結に誘導され得る手法が見られる、と指摘します。いわゆる「ダークパターン」と呼ばれるものです。

その上で、オンラインのダークパターンは低コストで実施でき、対象となる消費者の規模もオフラインの類似慣行に比べて著しく大きいため、被害の可能性が際立って大きいと述べます。この「低コスト×大規模」にユーザーの意思決定を歪めているという点が、出発点です。

現行法でも一定の対応はできているものの、誘導的な手法について現行法では明確化されていないこと、消費者を威迫・迷惑・不安に陥らせるような攻撃的手法を用いた表示は、そもそも規制の対象になっていないことへの危機感が出発点といえます。

(2)対策──包括規律&ブラックリスト

問題となる表示・UIの手法は多様で、あらかじめ列挙し尽くすことは困難です。だから、変化の早さに柔軟に対応できる一定程度包括的な規律を置く方向になりました。そのうえで、具体的な射程や判断基準は、下位法令やガイドライン等で違法なパターン(ブラックリスト)や適法なパターンを示すことにより明確化する方向です。

現時点でブラックリストとして例示されているのは、次の三つの類型です。

  • ① 契約の核心的要素について虚偽・不明瞭な表示・UI(誤認を招く手法)
  • ② 商品の性能や内容に関連する情報について虚偽の表示・UI(誤認を招く手法)
  • ③ 攻撃的な手法

① 契約の核心的要素について虚偽・不明瞭な表示・UI(誤認を招く手法)

例:支払金額(違約金等を含む)、分量、契約期間等の契約の核心的要素について、一般的な消費者が通常の注意をもって見た場合に、その内容を正確かつ容易に認識できない表示・UI。例えばDAZNが解約料について炎上した事例などはここに入り得る形になるかと思います。

参考:DAZNが嵌まったダークパターンの落とし穴について弁護士視点で深掘り

② 商品の性能や内容に関連する情報について虚偽の表示・UI(誤認を招く手法)

口コミ、利用状況、在庫情報、タイムセール等、商品の性能や内容に関連する情報が虚偽であるもの。偽の在庫僅少表示やカウントダウンタイマーが典型です。

③ 攻撃的な手法

契約の申込みに関し、操作の反復または威迫的な文言等を用いて、消費者を威迫し、迷惑を覚えさせ、または不安を生じさせるような仕方で申込み・締結をさせようとする表示・UI。極端な例でいえば、「あなたこのままでは事業に失敗しますよ!」と煽って不安にさせて商品を売りつけるような行為です。

④ ステマ規制よりも厳しい広告である旨の表示

さらに、上記の3つのブラックリストとは別に、実際は広告であるにもかかわらず広告であることが判別し難い表示を禁止し、または一見して広告であることが明らかでない表示には広告である旨の明示を求める方向が示されました。
要は、景表法のステマ規制よりも更に加重された広告表示規制が課される可能性があります。

なお、これらに違反した場合の効果は、行政規律による是正が基本とすべきとされています。取消権等の民事効果を付与すべきという指摘もありましたが、広告場面一般に民事効果を及ぼすと一般の取引への影響が大きいとする慎重論が優勢です。ただし、広告表示のうち最終確認画面と同程度に消費者の意思決定に影響を与え得るものを明確に切り出せるのであれば、取消権の議論が成り立ち得るという考えもあり、議論の余地があります。

(3)「一般的な消費者」という基準

見落とされがちですが、「中間取りまとめ」に重要な定義が記載されています。ここでいう「一般的な消費者」とは、高齢者・未成年者等も含め、インターネット取引という状況の下で、表示内容や画面設計の在り方により取引条件等の認識や選択に影響を受け得る通常の消費者を指す、とされています。

つまり、通常の注意を払う消費者であっても、取引環境や表示の態様によっては意思決定が歪められ得る──状況的な脆弱性を前提に置いた基準です。

(4)実務上想定される論点──


① 規制の外延が微妙である点

まず気になるのは、上記③の攻撃的手法、とりわけ「操作の反復」の外延です。

検討会でも、事業者が意思決定前の消費者に別の選択肢を提示し、確認や後押しを行うこと自体は通常の営業活動としてあり得るため、単なる反復や選択肢の提示自体を問題とするのではなく、規制対象となる「操作の反復」の内容や程度を明確化すべきだ、という指摘が出ています。

加えて、取引内容を確認するために必要な繰り返しや、振り込め詐欺防止等の消費者保護を目的として行われる表示・UIまで規制対象とすべきではない、という指摘もありました。

他方で、威迫的な文言を伴わない場合であっても、繰り返し申込みを促す表示や、特定の選択肢を繰り返し提示して困惑させる行為自体が意思決定を歪め問題となり得る、という指摘もあります。

例えば、実務上は次のようなものの扱いが問題となりえます。

  • ➡ 同意バナー・ポップアップの反復表示
  • ➡ カート放棄防止のリテンションポップアップや離脱時の引き止めモーダル
  • ➡ 解約導線上の引き止めオファーの反復提示。
  • ➡ 「本当によろしいですか」を重ねる多段階確認

例えば、「詐欺防止目的」なら適法になるのか、「営業目的」でも一定程度までなら適法なのか、CVR向上目的なら違法なのか、という区別は外形上つきにくいため、目的、態様、回数で切るのか。ガイドライン策定に当たって、事業者側が最も注視すべき箇所と考えます。

② 広告明示義務が、ステマ規制より厳しくなる可能性がある点

もう一つ、大きな議論を呼びそうなのが広告の明示義務です。

景品表示法のステルスマーケティング規制は、事業者の表示であることが一般消費者にとって判別困難なものを対象としています。事業者自身が発しているメッセージであれば、通常「広告と分かる」ことが前提でした。

これに対して、中間取りまとめは、「一見して広告であることが明らかではない表示」には広告である旨の明示を求める方向を示します。つまり、事業者の表示であることが分かるだけでは足りず、一見して広告であることが明らかである必要があり、射程はステマ規制より広くなります。

例えば、比較/ランキングサイト、アフィリエイト記事において──事業者の表示であることが明瞭であれば必ずしもPRをつける必要がなかったものが、広告と表示する必要が出て来ることになります。

検討会でも、あらゆる広告について一律に「広告」と記載させるのは過大だという指摘と、冒頭に「広告」と表示するだけならコストは大きくないので全てに義務付けるべきだという指摘が、真っ向から対立しています。具体的な規律方法は引き続き検討とされました。

どこからが広告で、どこからが広告ではないのか、ここは景表法との役割分担の整理も含めて、相当な議論になると見ています。

4. 契約場面におけるダークパターン規制──最終確認画面の強化と、「書面交付義務」

(1)課題感

令和3年改正で最終確認画面の表示義務が入りましたが、定期購入に関する相談は高水準のまま推移しています。相談内容を見ると、「定期縛りなし」「いつでも解約可能」といった表示によって解約条件を誤認する事例や、最終確認画面の前後でより有利に見える条件を提示して高額プランへ誘導するアップセル、支払総額・契約期間・解約条件を一体として把握しにくい表示が、新たに現れているとされます。

(2)対策

① 最終確認画面における表示義務&禁止範囲の拡張

  • ➡ 支払総額の表示、取引条件の分離表示の禁止といった表示方法の義務付け
  • ➡ 注文確定後に高額プランを提示するケースについては、変更前後の内容を対照させる等、変更内容の明示を義務付ける

② 電子書面の交付義務

インターネット取引において、契約内容を記載した電子書面等を、注文完了後遅滞なく、電子メール等により消費者に交付することを義務付ける方向が示されました。事業者側から契約内容の変更が提案され、再度の最終確認画面を経て新たな申込みがなされた場合には、再度の交付が必要です。

交付方法は後日改変されない形で保存可能な方法とすべきとしつつ、

そして重要なのが次の一文です。最終確認画面で消費者を誤認させる表示を行い、電子書面等では誤認が生じない形で記載することによって取り繕おうとすることは許容すべきではない。

つまり、最終確認画面の不備(意図的であるか否かを問わず)を、後続の電子書面交付で治癒することはできません。両者は独立の義務として設計されます。注文完了メールのテンプレート改修と、送信ログの保存体制の整備が、実務対応として必要になります。

(3)実務上想定される論点

① 最終確認画面における支払総額のレベル感

将来の利用量・金額・更新頻度が契約時点で確定しない契約や従量課金契約について、一律に年額総額表示を求めるべきではないとの指摘もあり、この点は取引実態を踏まえた検討に委ねられています。SaaS・サブスク事業者は注視すべきところです。

② 電子書面への記載事項のレベル感

最終確認画面で表示した内容と整合的でかつ分かり易い情報が提供される必要があり、具体的な内容について引き続き検討予定とされています。安直に考えれば、最終確認画面と同じ内容を記載すればよいとも思えますが、それでは分かりづらいという考えもあるでしょうから、特に重要な事項に絞って分かり易く表示すべきとすれば何を重要な事項とするかなどの議論があるように思われます。

また、フィッシング詐欺対策で消費者が添付ファイルを開かない行動が一般化していることや、通知事項が長大だと読まれにくくなることを踏まえ、どこまでを本文に書き、どこからをリンクで示すかのバランスを考慮すべきという指摘もあり、電子書面に何を記載すべきか引き続き議論を注視した方がよさそうです。

5. 解約場面におけるダークパターン規制──返品特約の濫用&解約妨害の禁止

(1)課題感

①返品特約の濫用

商品が届かない、注文と異なる商品が送られてきた、不良品だった──民法上の解除権や損害賠償請求権を行使できる場面であるにもかかわらず、返品特約を理由に一律に権利行使を拒否する事例についての対応です。

② 解約手続の妨害

解約手続を不当に遅延させる行為や、契約手続に比して合理的理由なく過度に複雑な解約手続を課す行為が、違法行為として規律の対象とされます。ダークパターン論の一部として位置づけられている点が特徴です

(2)対策

① 返品特約の濫用は行政処分の対象に

購入者から法定返品権によらない解除等の通知・申出を受けた場合に、申出に係る事実関係について社会通念上通常必要とされる確認を行うことなく、返品特約のみを理由として権利が存在しない旨を告げる行為を、新たに行政処分の対象とすることが適当だとされました。これはネット取引に固有の問題ではないため、通信販売一般の規律として検討されます。

② 解約妨害の禁止

ⅰ 解約手続きを不当に遅延させる行為の禁止
例:解約導線が分かりづらい、解約を翻意させるポップアップが繰り返し表示される、アンケートを書かないと解約できない等

ⅱ 契約手続きに比して過度に複雑な解約手続きを課す行為の禁止
いわゆる「ローチ・モーテル(入るのは簡単、出るのは困難)」型のUIは、正面から違法になる方向です。申込みが3クリックなら、解約も3クリック程度で完結できるか。申込がオンラインなら解約もオンラインで完結できるか(解約はリアル店舗/電話が必要などになっていないか)。

なお、サブスクリプション等の継続的契約について、通知義務や中途解約権を設けるべきという指摘は、別途進行中の「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会」の整理を踏まえるものとされました。特商法と消費者契約法の両輪で動いている点は、押さえておく必要があります。

参考:消費者庁「現代社会における消費者取引の在り方を踏まえた消費者契約法検討会中間取りまとめ(案)」
  :MAKU法律事務所 2026年消費者契約法改正の動向

(3)想定される実務上の論点

ⅰ 返品申出に対する調査義務のレベル感

申出にかかる事実関係をどこまでの強度で調査すればよいのか、どの程度の人員を割くべきかというのは現場の葛藤になることが想定され、事業者としては頭が痛い課題と思われます。

カスハラに近いクレームや、ありもしなそうなクレームについてイチイチ取り合う必要があるのかという問題意識はあるように思われ、改正動向を注視する必要がありそうです。

ⅱ 解約導線の洗い出し

改正案がまとまったわけではないものの、現状の解約導線がどうなっているか、申し込み手続きに比して複雑になっていないかなどは割と簡単に調査が可能と思われ、今の時点から洗い出しをしておくのが穏当なように思われます。

以上、「特商法改正中間とりまとめ」について、①チャット等の規制、②ダークパターン規制を中心に解説してきました。

その他の改正事項についても重要なものが含まれていますので、別項で解説いたします。

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